Institutional Greetings

ご挨拶

東京大学総長 / 藤井 輝夫

東京大学
総長

藤井 輝夫

ダイキン工業と東京大学は2018年12月に「産学協創協定」を締結し、様々な活動を展開してきています。従来の研究者主体でおこなう個別の共同研究とは異なり、この産学協創では、組織レベルで一緒に未来のビジョンづくりから始め、解くべき問い、そのものを共に考えながら、社会における様々な課題の解決に向けた取り組みを進めています。 その活動の最大の特徴は、組織対組織での本格的な人材交流です。ダイキン社員の皆さまが本学の研究者へ課題をぶつけて議論する「LOOK東大」や、本学の学生がダイキン工業の海外拠点でビジネスの最前線を体験する「グローバル・インターンシップ」等、いくつもの交流プログラムが行われています。これらの活動を通じて、東京大学、ダイキン工業、双方に良い意味での地殻変動が起きていることを実感しています。 今般の新型コロナウイルス感染症は、私たちがこれまで前提としていた常識を一変させました。このような未知の課題は、企業や大学が単独で持つ専門性だけでは解決できません。幅広い領域の研究・教育活動を行う東京大学と、徹底的に空調分野にフォーカスしてグローバルに事業展開するダイキン工業は、言わば「異質な者同士」です。しかし、この異質な者同士の組合せこそが、未来の社会が求める、価値あるイノベーションを生み出す原動力となるのです。 本産学協創が、デジタル革新による大変革のさなかにおいて、SDGsへの貢献を着実に進め、より良い未来社会である「Society5.0」を実現する道筋を切り開く大きな力となることを期待しています。

ダイキン工業株式会社会長 井上礼之

ダイキン工業株式会社
取締役会長兼グローバルグループ代表執行役員

井上 礼之

ダイキン工業は「空気で答えを出す会社」として、空気と環境に関する社会課題の解決を通じて、持続的に成長発展していくことをめざしています。世界の空調需要は、2050年に現在の3倍に拡大すると予想されます。快適な空気環境を世界中に提供しつつ、温暖化影響を限りなく低減していくことが、SDGsの観点から当社の重要な社会的使命だと考えています。 デジタル時代のイノベーションは、自社内だけの閉じた環境では生まれません。デジタル革命が加速する中、“自前主義“から脱却し、産学連携などの「外部との協創」で差別化技術を創出し、事業化に結び付けるオープンイノベーションの実践は重要な経営課題です。 そうした課題認識のもとで東京大学との連携をスタートしました。本連携では、双方のメンバーが「組織」対「組織」で自在に交流しながら、渾然一体となって「何を一緒にやっていくか」という「問い」から考え、新たな価値創造を行う「協創」を志向しています。これまでにはない「産学協創」を実現していくために、未来技術の開発をはじめとして、未来ビジョン策定、ベンチャー連携、グローバル人材育成など、幅広い分野で連携を進めていきます。東京大学には、世界トップレベルの研究力・人文知があり、当社だけでは対応できない社会課題の解決につながるものと大きな期待を寄せています。組織の枠を超えた人材交流を実現する“ワイガヤ空間“での「協創」を通じて、SDGsの実現につながる社会課題解決に挑戦していきます。